「あまりのあるわり算」は難しい~小学3年生

2年生のときに、かけ算の学習を何とか乗り越えてきた3年生のお子さん。3年生になってからの「わり算」も、苦労しながらもクリアしてきたのですが…。
「あまりのあるわり算」になると、ぐうんとモチベーションが下がってしまう場合があります。鉛筆を持つ手が全く進みません。計算ドリルの20問を前に、いつ終わることやら…という感じです。何といっても本人がとても辛そうです。
なぜ「あまりのあるわり算」になると、途端に辛くなってしまうのでしょう。
その理由の一つに、かけ算九九の覚え方が不十分な場合があります。
かけ算九九を覚えることが苦手なお子さんは、6の段・7の段・8の段など、九九の学習が進むほど辛くなってきます。そこで、ついつい「7×4が分からないときは、4×7で答えを出せば大丈夫!」などとアドバイスをして、6の段・7の段・8の段が十分に唱えられなくても、かけ算の学習に対応できるようにして乗り切ってしまうことがあります。
そのまま、3年生になると、わり算で苦労するのですが、あまりのないわり算のうちは、まだ頑張れるのです。
なぜなら、「28÷7=」という問題をみると、「28」「7」という数字から、なんとなく「4×7」が浮かんできて、「4」という商にたどり着けるからです。7の段は不十分でも、それを他の段で補って頑張ってきた力が発揮されます。
ところが、あまりのあるわり算になると、それも使えません。
「30÷7=」という問題を前に、「…7の段だから、七一が7、七二12?、七三???」という具合です。
しっかりと覚えている段が「割る数」になっている問題は、すらすら解けるのに、不十分な段の数が「割る数」になっていると、そこに考えるための手立てが何もなくて、思考が止まってしまうのです。
そのようなお子さんには、「7の段でなくても大丈夫!2×7=14、3×7=21、4×7=28…ってやればいいんだよ。」というような手段を教えるとともに、かけ算九九表も活用して「あまりのあるわり算」の問題にぐんぐん取り組めるようにしながら、不十分な九九の段の練習を進めています。
お風呂のなかで、また、寝る前に、九九を復習してみましょう!