入学は,子にも親にも新しい生活の始まり
「からすのパン屋さん」という絵本があります。
(かこさとし作・絵 1973年 偕成社)
子ども達も大好きな絵本です。
今の時期の1年生に,親子で,ぜひ読んでほしい絵本でもあります。
…からすのパン屋さんにかわいい4羽の赤ちゃんが生まれます。
パン屋さん夫婦は,朝早くから働きますが,4羽の赤ちゃんの世話に追われていると,お店は散らかりパンを焦がしてしまうこともしばしば…。しだいに客足が遠のき,家は貧乏になってしまいます…。
それでも一家は,明るく力強く乗り切っていきます。
…元気に育った子ども達が毎日食べていた売れ残ったパンや焦げたパンの美味しさが,子ども達の友達を通して口コミで広がり,お店にたくさんのお客さんが来るようになります。子ども達は忙しくなったお店を手伝います。そして,みんなで考えていろんな形のパンを作ると,ますますお店は大繁盛…。(子ども達が大好きなページです!)
子どもがランドセルを背負って学校へ通う姿には,「大きくなったなあ。」と感慨深いものがあります。しかし,いざ学校生活が始まってみると,朝早く家を出したり,夜には音読を聞いたり宿題をみたり,連絡帳や音読カードにハンコを押して,早く寝せて…と大変です。これまでと同じように仕事や家事をしようとすると,これらのことが煩わしく感じてイライラしてしまうかもしれません。親も子どもと一緒に生活リズムを変えることを迫られます。
音読を聞くことも,連絡帳に目を通すことも,早寝早起きをさせることも,これからの小学校6年間の基礎となるとっても大切なことです。手をぬかずに,しっかりと関わってほしいところです。
その分,これからは,少し成長したお子さんに,家事を手伝ってもらってはどうでしょう。おうちの人が忙しいなか子ども達のために時間を割いてくれているように,子ども達も少し遊ぶのを我慢して,洗濯物を片付けたり,お風呂を洗ったりと働けるようになったらいいですね。もちろん,カリカリしながらやるのではなく,親子とも,それぞれ工夫して楽しみながら取り組めたなら,ずっと続けていけると思います。
仕事や家事と子育てに走り回ることに疲れたときには,ぜひ「からすのパン屋さん」を開いてみてください。きっと,パン屋さん一家に元気をもらえます。
