ひらがなに親しむ+もうひとつ
年長児のお子さんにも文字の指導をしています。
4月に小学校に入学してから,きちんと平仮名を学ぶことを前提にしての,5~6歳の発達段階に合わせた指導です。お子さんそれぞれの個性や興味を考えて,内容や方法を検討しています。小学校生活に楽しくいきいきと接続できるようにするための素地作りです。
平仮名の練習をしながら,鉛筆の持ち方や手首の動かし方,書字の姿勢などをみていますが,10月からは板書に慣れるための工夫を入れています。
例えば,これまで,わからない文字を教えるときに,第1段階として「点線で書いてあげてなぞらせる」,第2段階として「別紙に書いてみせて,見ながら書けるようにする」としてきましたが,第3段階として「黒板に書いてみせて,記憶してから書けるようにする」ことを始めたことなどです。
「板書を見てノートに書き写す」ということは,当たり前にできることのように思えますが,1年生にとっては初体験であることも多いものです。黒板に書かれていることの記憶の仕方や,「遠方の黒板を見て,近くのノートを見て」という目の使い方も誰にも教わらずにこなしていくことになります。すると,中には「一字一字見ては書いて」を繰り返して書く子(時間がかかり,その上,脱字があったり1行ぬけていたりする。)や,目は黒板を見続けてノートを見ないで鉛筆を動かして書く子(文字の形が整わず罫線からも外れてしまう。文字が重なって書かれていることもある。)などが出てきます。
園児への指導では,1年生の学習の先行学習というよりも,それぞれのお子さんに合わせた,1年生での学習を支える基礎となる力をつけていくことを大切にしています。