小学1年生の「退屈な時間の過ごし方」

園児向けの少人数教室で,途中でトイレに行っては外で遊んでいるお友達に声をかけてしばらく楽しんでから,教室にもどってくるお子さんがいます。
活動的なお子さんで,課題への取りかかりが早いうえに,ぐんぐんと学習を進め,用意しておいた予備の課題まで終わらせてしまう力があります。
彼女がトイレに行くのは,課題が全部終わってしまって「ひま」になったときです。TV番組を見ていてCMの間にトイレに行くような感覚かもしれません。
みんなが次の学習を始めると,急いで教室にもどってきて席に着き,また一緒に学習を始めます。

小学校に入学すると,幼稚園の時よりも「退屈な時間」が増えるように思います。
始業までの間や給食の配膳の時間,帰りの用意が整うまでの時間,それから,授業時間のなかにも…。

授業中に「退屈」を感じるお子さんには,2通りあるように思います。
一つは,やる気が出ずに,つまらなくなってしまうタイプ。
先生の話や課題が理解できなかったり,学習への意欲がもてなかったりする場合などです。
もう一つは,やる気満々で,待っていられないタイプ。
先生の話の途中で動き出してしまったり,正確さや丁寧さよりも先に進みたい気持ちや早く終わらせたい気持ちが優先してしまったりするような場合で,活動的で理解や作業が早いお子さんに多いです。

先生は,それらを考慮して授業を組み立ててくださいますが,それでも,集団での授業の中では,どの子にも多少の「退屈な時間」は生じます。
しかし,そのうちに,これは本来「退屈な時間」などではないことに,子ども達は少しずつ気付いていきます。
先生や友達の意見をよく聞いて考えたり,丁寧に課題に取り組んだり,やり終えた問題をもう一度見直したり,自分で他の学習に進んだり…と,そういう時間の過ごし方ができるようになっていくのです。

さて,日常生活の中で,お子さんに「退屈な時間」はあるでしょうか。昔だったら暇で退屈だった時間(例えば,病院やレストランでの待ち時間,車中で過ごす時間,長期休みの平日など)が,今はゲーム機やインターネット等の普及で,そんな時間さえも「活動している時間」になっているような気がします。

幼少期においては,「退屈な時間」を過ごすことも大切な経験の一つのように感じます。

真冬でも半袖…冬の訪れは,寝癖から…

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